映画「二郎は鮨の夢を見る」の感想-寿司職人の矜持を追ったドキュメンタリー


作品情報

原題:Jiro Dreams of Sushi

邦題:二郎は鮨の夢を見る

2011年のアメリカ映画

あらすじ

東京・銀座の地下にあるたった10席ほどの鮨店・すきやばし次郎の店主・小野二郎。彼の握る鮨は「ミシュランガイド東京」で5年連続、最高の三つ星の評価を受け、フランス料理最高シェフのジョエル・ロブションや、ヒュー・ジャックマン、ケイティー・ペリーといったハリウッドセレブなど、世界中の食通たちをうならせてきた。あのメトロポリタンオペラの総帥、ピーター・ゲルブ氏の息子でもあるデヴィッド・ゲルブ監督は、87歳の今でも現役で板場に立ち、現役で己の技を磨き続ける二郎の職人としての生き様に魅了され、その人生と哲学を題材に映画制作をすることを決意した。そして、約3ヵ月にわたり東京、静岡と密着取材を敢行した。

出典 Amazon

トレーラー

評価

(4/5)

以下、ネタバレを含みます。

感想

寿司職人という美学

10年以上下積みをしてやっと玉子を焼かせてもらえる、といった世界は寿司職人ならではの世界ですね。以前、堀江貴文が寿司職人が10年以上修行することを批判し、寿司職人を養成する学校で数か月学べば十分であると語っていましたが確かにそれでも同等の寿司が握れるかもしれません。ただ、本人が納得したうえでやっているのならば、そういった世界があっても良いのではないでしょうか。

業者とのやりとり

米の仕入れ先の社長は高級ホテルから米を売るよう要請されたのを断ったそうです。米の炊き方を知らない者には売らないという意思表示のようですが、このエピソードでいかにすきばやし次郎の小野二郎を信頼しているかがわかると思います。こういった信頼関係がミシュラン3つ星の連続取得を支えているのかもしれません。

まとめ

寿司職人という独特な職業の裏側を良く撮れていると思います。すきばやし次郎の成り立ちから現在に至るまで、相当な苦労をしてきたことが窺えます。一度は行ってみたい寿司屋です。
アメリカ映画ということで、当初はアメリカで公開されたのですがとても評判が良かったようです。アメリカの寿司というとカリフォルニアロールなどのローカライズされたものが思い浮かびますが、この映画をきっかけに本来の寿司がリスペクトされてさらに広がれば良いですね。