映画「トゥルーマン・ショー」の感想-虚構の世界で生きる主人公とテレビ局の攻防を描いた良作


作品情報

原題:The Truman Show

邦題:トゥルーマン・ショー

1998年公開のアメリカ映画

あらすじ

トゥルーマンは保険会社の平凡なセールスマン。しかし彼は自分の生活が少し変だと思い始めた。もし自分の人生が、実は“演出された作りもの”だったら…? 鬼才ピーター・ウェアー監督のもと、才人ジム・キャリーが絶妙な名演技を見せて絶賛されたヒューマン・コメディの傑作。

出典 Amazon

評価

(4/5)

以下、ネタバレを含みます。

感想

テレビ局対トゥルーマン

自分以外がすべて虚構の世界で生活する主人公トゥルーマンとその様子を24時間365日にわたり全世界に放送するテレビ局という設定ですが、序盤にその事実が判明したわりには中だるみもなくテンポ良く話が進んでいきます。虚構の世界からの脱出を画策するトゥルーマンとそれを阻止するために奔走するテレビ局という構図が明確で面白いです。

先見の明

現在ではYouTubeなどで個人がリアルタイムの動画を配信することは難しくなくなりました。中でも、PCゲームを中心としたライブストリーミングサービスのTwitchではIRL(In Real Life)というジャンルがあり、配信者自らが街を歩く様子などを中継しています。このTwitchの前身であるJustin.tvでは開設者のJustin Kanが自身の生活の様子を24時間中継して過ごしていました。現実ではトゥルーマン・ショーという映画を超えるようなことも起きているのです。

しかも、2007年頃の話なのでトゥルーマン・ショー公開の約10年後、そして現在から11年も前に行っていました。衝撃ですね。

まとめ

もし、自分がトゥルーマンと同じ立場にあったら、と考えると怖くなりますね。この映画では劇中の視聴者やエキストラが好意的に接しているため不快感もありませんが、一歩間違えば衆人環視のディストピアになってしまいそうです。
また、トゥルーマン・ショーの公開から20年近くが経ち、Twitchなどで配信者自らが生活を中継するようになったのは面白い変化だと思います。映画の公開当時に個人で生活の様子を動画で配信する社会が来ると言っても信じる人は一握りでしょうね。